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産業医を変更する前に|
ちょっとした相談が
担当医まで届く契約か確認

産業医が、机をはさんで人事担当者の話を聞いているイラスト
産業医が、机をはさんで人事担当者の話を聞いているイラスト
産業医が、机をはさんで人事担当者の話を聞いているイラスト
杉山 大介

執筆:杉山 大介

株式会社サンダーメディコ 代表・現役の嘱託産業医

noteで産業保健の実務知見を発信しています

たとえば、訪問日から2週間後の火曜日。人事の担当者は、ある社員の顔色が気になっていました。担当の産業医に聞こうとすると、宛先は紹介サービスの窓口です。

「こんなことまで窓口に聞いていいのかな」「次の訪問で聞けばいいか」。そう考えて、書きかけのメールを閉じました。次の訪問は1か月以上先です。

その日の夕方、社長に言われます。「その産業医、役に立ってるの?替えたら?」産業医の変更を決める前に見てほしいのは、担当産業医よりも、相談が担当産業医まで届く契約かどうかです。

このページの人事の担当者と会社は、よくある場面をもとにした想定の例で、実際の導入事例ではありません。

このページの要点

  • 窓口を通す契約だと、ちょっとした相談は担当産業医に届く前に止まりやすい
  • 担当産業医だけ変更しても届かない相談は残るので、直接聞ける契約かを先に見る
  • サンダーメディコは2か月に1回の訪問でも、訪問日以外の相談を担当産業医が月額内で受ける

変更の前に、ちょっとした相談が担当産業医まで届いていたかを見る

訪問日に会ったときの担当産業医の答えに、不満はありましたか。なければ、合わないのは担当産業医ではなく、訪問日以外は窓口を通す契約のほうかもしれません。

まず、産業医の役目の外を期待していなかったか

法令が産業医の職務として挙げるのは、健康診断の結果にもとづく措置、面接指導、健康相談など9項目で、どれも社員の健康を守るための仕事です(労働安全衛生規則第14条)。産業医の主な役割は、病気の診断や治療そのものではなく、従業員の健康状態と職場の状況を踏まえて、安心して働ける環境や必要な就業上の措置を考えることです。

診断や治療は基本的に主治医が担い、産業医はその情報も踏まえて、企業に必要な助言を行います。診断や治療まで産業医に期待していると、どの産業医に変更しても物足りなく感じます。

人事が聞きたかったのは、社員の顔色をどう見て、会社が何をすればよいかでした。役目の内の相談なのに答えがなかったのなら、次に見るのは、その相談が担当産業医まで届いていたかです。

窓口が間にあると、ちょっとした相談ほど送る前に止まる

振り返ると、訪問日の面談で、担当産業医の答えに困ったことはありません。困っていたのは訪問日と訪問日のあいだで、「次の訪問で聞けばいいか」と送らずにやめた相談は、あの火曜日が初めてではありませんでした。

産業医の側から見ると、担当産業医まで届けば答えられる相談でも、間に窓口があると、ちょっとした相談ほどハードルが上がり、送る前に止まりやすくなります。担当産業医が答えなかったのではなく、窓口の手前で相談が止まっていたのです。

サンダーメディコでは、訪問日以外の相談も、窓口を通さず担当産業医本人が受けています。

担当産業医の答えや態度が合わないなら、変更を考えてよい

訪問日の面談で答えがあいまいだった、聞き返しにくかった、というなら話は別で、担当産業医の変更を考えてよい場面です。「産業医に相談しにくい」「産業医が高圧的で意見を聞き返せない」のページにまとめています。

届かない相談が原因なら、同じ契約のまま担当産業医だけ変更しても、次の担当産業医も同じ窓口の向こうにいます。

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選ぶときには比べにくい「直接相談できるか」が、産業医の変更の決め手

人事は、社長に説明する材料を探して、契約したときに見比べたことを思い出しました。契約したときの決め手は、料金と、必要なときに医師を確保できることでした。

選ぶときには見えにくいもの

選ぶときに比べることと、使い始めてから要ること

右の列は、契約前には比較しにくく、使い始めてから分かることも多い項目です。

選ぶときに比べること使い始めてから要ること
オンライン面談に対応しているか相談したら返事が来るか
必要なときに医師を確保できるか担当の産業医と直接相談できるか
料金とサービス内容が分かりやすいか会社の課題を続けて理解してくれるか
—契約したあとも、困ったときのフォローがあるか

右の列は、契約前には比べにくい

登録している医師の多さや、オンライン面談をすぐ手配できることは、紹介サービスの強みです。ただ、右の列は契約前には比較しにくく、実際に使い始めてから分かることも多くあります。

契約の形で先に決まるのは「直接相談できるか」

右の4つの中でも、担当の産業医と直接相談できるかは、契約の形で先に決まります。だから、産業医の変更で次の契約を選ぶときは、ここを契約の前に確かめます。

訪問日以外の相談は誰に届くか、今の契約と産業医の変更先に聞く

人事はまず、今の窓口に3つを聞き、それから変更の候補にした会社にも同じ3つを送りました。3つの答えを並べると、訪問日以外の相談が担当産業医本人に届く契約かどうかが分かります。

聞くのは、宛先・返事・費用の3つ

「訪問日以外の相談は、誰に送りますか」「返事は、誰から来ますか」「月額に含まれますか。別料金になるのはどんなときですか」。今の契約は、契約書の業務の範囲に書いてあることが多く、分からなければ窓口に聞けば分かります。

人事の会社では、今の契約は窓口を通す決まりでした。窓口を通す決まりと分かってから、変更の候補にも同じ3つを送ります。

サンダーメディコの場合

訪問日以外の相談は、担当産業医本人に、メールやSlackなどで直接送れます。返事も担当産業医本人から返ります。文章で答えられることは文章で返し、社員本人から話を聞く必要があるときは、社員とのオンライン面談に切り替えます。社員の健康の情報をやり取りするときは、共有する範囲と方法を、先に会社と決めておきます。

人事からのちょっとした相談は、2か月に1回の訪問のプラン(月額50,000円・税抜)でも月額に含みます。社員とのオンライン面談は、どのプランも訪問とは別に毎月30分を1回含み、追加は30分15,000円(税抜)です。面談の枠は翌月に繰り越せません。

定期訪問(60分以内)の中で行う社員との面談に、追加の料金はかかりません。ストレスチェック後の高ストレス者への面接指導の料金は、料金のページにあります。

担当産業医に直接相談できれば、不調が深刻になる前でも相談しやすい

サンダーメディコが嘱託産業医を担当している一社では、Slackに「残業が続いている」「最近体調不良がある」といった相談が届きます。休職や高ストレスになる前の段階です。

産業医の変更届は正式には「産業医選任報告」:前任の辞任等もあわせて報告できる

人事が調べると、変更のときに会社がすることは4つでした。常時50人以上の労働者を使用する事業場で産業医を変更するとき、労働安全衛生規則第13条にもとづいて会社がすることは、主に次の4つです。

労働安全衛生規則第13条

産業医の変更・交代で、会社がすること

変更届や選任届とも呼ばれますが、正式には「産業医選任報告」です。

することいつまでに・どこへ
後任の産業医を選ぶ選任すべき事由が発生した日(前任の辞任など)から14日以内
後任の産業医選任報告を出す選んだあと遅滞なく、所轄の労働基準監督署へ(電子申請が原則。当分のあいだは書面も可)
前任の辞任・解任・退任(辞任等)を報告する2026年8月1日から遅滞なく。後任の選任報告とあわせて報告する場合は、別途の報告は不要
衛生委員会に報告する辞任・解任したことと、その理由を遅滞なく

2026年8月からの辞任等の報告は、後任の選任報告とあわせてできる

産業医選任報告の様式と入力支援サービスは、厚生労働省のページにあります。提出するときは、産業医の要件を満たすことを証明する書類を添え、事業場が複数あれば、産業医を変更した事業場ごとに出します。

人事は、新しい担当産業医が決まった週に選任報告を出し、前任の辞任もあわせて報告しました。契約の解約手続きや業務の引き継ぎは、届出とは別に進めました。

よくある質問:産業医の変更

契約の途中でも、産業医は変更できますか?
法令には、変更できる時期の決まりはありません。今の契約書にある解約の決まり(予告期間など)を、先に確かめてください。
後任が決まるまでの間は、どうなりますか?
常時50人以上の事業場では、後任は、選任すべき事由が発生した日(前任の辞任など)から14日以内に選ぶ決まりです。先に後任の候補と話して開始日を決めてから前任の契約を終えると、産業医がいない期間をつくらずに済みます。

産業医の変更で変わったのは、相談が担当産業医に直接届くこと

たとえば、変更から2か月後。また社員の様子が気になって、人事はSlackで担当産業医本人に3行を送りました。

最初の火曜日に顔色が気になっていた社員のことも、新しい担当産業医に最初に伝えたのは、あの日に送らずにやめた相談でした。

社長には、こう返しました。「担当産業医が答えなかったんじゃなくて、相談が届いていなかったんです。今度は、担当産業医に直接届く契約にしました」

産業医を変更したくなったら、その前に、相談が担当産業医まで届いていたかを振り返ってみてください。無料相談は30分・オンラインで、担当予定の産業医本人が伺います。

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代表取締役・産業医 杉山 大介

杉山 大介

株式会社サンダーメディコ 代表│東京都の嘱託産業医

現役の嘱託産業医として複数社を担当。「来る産業医」ではなく「動く産業医」をモットーに面談・衛生委員会・職場改善まで実務に入る。

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